退屈な毎日から抜け出そう。14歳の夏、少年たちのロードムービー『グッバイ、サマー』レビュー

作品について

『グッバイ、サマー』(原題:Microbe et Gasoil)は、2015年に公開された、ミシェル・ゴンドリー監督の青春ロードムービー。🇫🇷

公式サイト http://www.transformer.co.jp/m/goodbyesummer/

あらすじ

14歳のダニエルは、たくさんの悩みを抱えていた。女の子のような容姿で同級生からからかわれ、好きな女の子、ローラには相手にされない。母親は過干渉で、兄貴は暴力的なパンク野郎だった。繊細なダニエルが悶々とした毎日を送っていたある日、ガソリンの匂いを漂わせた変わり者の転校生、テオがやってきた。やがて仲良くなった二人は、うんざりするような毎日から抜け出すため、スクラップを集めて「動くログハウス」を作り、旅に出ることにしたー

こんなひとにおすすめ

ノスタルジーに浸りたい
うんざりした毎日から抜け出したい🏃
美少年が好き✨
ひとりで静かに観たい映画
主役と同年代(14歳)の方が家族や恋人と観るには結構辛そう💦
ファンタジー要素が急に差し込まれることに違和感がある人はダメかも💦

見どころ(ネタバレなし)

『グッバイ、サマー』の見どころをまとめました!

1️⃣出会いと成長
痛みを抱えながら少しずつ成長していく14歳の少年を描いた映画。人を成長させてくれるのはやっぱり出会い。

2️⃣思春期の悩み💭
誰もがぶつかる思春期の悩みが描かれているので共感性が高いです。

3️⃣美しい主演キャスト✨
美しい少年少女が好きなので、ダニエル、テオ、ローラのビジュアルが最高です😍オーディションで選ばれた新人、アンジュ・ダルジャン(ダニエル)と、テオフィル・バケ(テオ)が主演。とにかく、少年二人の表情と演技が最高で、とても美しい映画です。

4️⃣監督の自伝的要素
この映画は、監督の境遇や、実際に出会った人々、監督が夢の中でみた画など、監督の自伝的要素が散りばめられています。さまざまな要素がごちゃまぜになって、適度にファンタジーが感じられ、不思議な世界観が楽しめます。

5️⃣フランス映画だけど眠くならない(笑)

感想(ネタバレなし)

思春期の悩み。自分の身体の変化とか、異性への興味とか、周りとのうわべだけのやりとりとか、家族へのなんとなくの嫌悪感とか、反抗心とか。

一見平和な生活でも、そういうささやかな、いろんな痛みや鬱屈した気持ちがあった。
家と学校と通学路。あの頃は、それがわたしの世界だった。
いつも、学校で教室の窓から外を見て、他にどんな世界があるのだろうと考えていたことを思い出す。

感想(ネタバレあり)

ダニエルとテオの優しさがとてもじんわりと沁みる😌
ダニエルの個性を認めたり、才能を応援するテオも優しいし、
転校してきたばかりのテオのことをかばったり、家を燃やされたロマ人へ同情するダニエルも優しい。

二人とも、自分が哀しさや疎外感、劣等感を知っているから、人の痛みにも敏感なのだ。
だから優しい。
お互いを尊重し、個性を認め合える友人に出会えて本当によかったなぁと思う。

ふたりが出会ったことで、抑圧された現実から逃れる勇気を持つことができた。
後悔するより、無茶な思いつきでも行動したい。そんな二人がまぶしい✨

二人で車を作るところ、わくわくした🚚

堂々として自由で物知りでユーモアがある、ちょっと大人なテオ。本当にいいやつなんだよなぁ…

へなちょこで自意識過剰気味だったダニエルが、そんなテオと出会ったことで、自信や、芯の強さを持つのが泣ける😭テオに教えてもらった必殺技を、嫌味な同級生にかけるところとか。

ラストの展開があっけなさすぎて、ぽかーんとなった😮

でも、人との出会いと別れって意外とあっさりと過ぎていったりする。
自分の成長に欠かせない存在との出会いって、その時の必然というか、ふと現れて、ふと去っていくものなのかも

いきなりローラの視点で映画が終わるのも最高によかったなぁ…「興味がなくなった頃に付き合える」の伏線回収?

最後で、映画全体のローラの存在感がぐっと増した感じ。

ツッコミどころとしては、風俗店の女、なぜか日本語なのが腹立つ😓(笑)
あと飛行機のくだりがよくわからない。
と思ったら、監督が見た夢の話が元ネタみたい。下記にまとめます。

元ネタとなる要素

こちらのインタビュー記事から、監督の自伝的要素をまとめます。

  • ダニエルのモデル
    昔の監督自身から。絵を描くことやアイディアを考えることが得意。女の子に間違われた。長髪にこだわりがあった。テクノロジーへの反抗心があった=作中のiPhoneへの態度
  • テオのモデル
    変わり者の親友たち何人かのイメージから。父親が古物商でいつもスクラップを用いて工作をしていた友達がいた。大人びており、風変わりで、少し時代遅れな話し方をする=ハイタッチはしない
  • 動くログハウスのモデル
    ゴーカートに乗って遊んでいた。車を作るという計画を思いついたが、成功しなかった思い出から。車の絵を描くのが好きだった。
  • ダニエルの家族のモデル
    兄はパンクをやっていた。母はうつで、ある宗派の会合に行っていた。
  • ローラのモデル
    長年好きな女の子がいて、叶わぬ恋だった。
  • 旅のモデル
    監督が夢の中で見たものから。歯医者、美容師、アメフト選手、逆向き飛行の飛行機……4つか5つの夢を現実の背景に照らしながらつなぎ合わせた。

こうやって見ると、監督の思い出と夢、育った環境がかなり忠実に反映された映画だとわかりますね😮


鑑賞メモ:2017年12月DVD鑑賞